原動機技術委員会

原動機技術委員会

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概要

  • 原動機技術委員会は、国土交通省、日本建設機械施工協会会員のエンジンメーカ、建設機械メーカ等の各委員からなる委員会です。
    建設機械に搭載されるエンジンに関する調査研究を実施しています。
  • HPでは、原動機技術委員会の活動、建設機械に搭載されるエンジン、排気ガス規制などについて紹介しています。

委員リスト

番号 会社名
1 いすゞ自動車㈱
2 国土交通省
3 カミンズジャパン㈱
4 日野自動車㈱
5 パーソルR&D㈱
6 コマツ
7 キャタピラージャパン(同)
8 ㈱クボタ
9 コベルコ建機㈱
10 住友建機㈱
11 ㈱タダノ
12 ㈱豊田自動織機
13 日立建機㈱
14 古河ロックドリル㈱
15 三菱ふそうトラックバス㈱
16 ヤンマーパワーテクノロジー(株)
17 ロールス・ロイス ソリューションズ ジャパン(株)
18 国立研究開発法人 土木研究所
19 (株)加藤製作所
20 JCMA施工技術総合研究所

 

委員会活動報告

原動機技術委員会 活動報告

令和4年9月更新

年度 活動内容
令和4年度計画
(2022年度)
  • 建設機械に搭載する原動機の排出ガス規制関連情報を収集し、意見交換により情報の共有化を図り、各種技術課題を展開する。
  • 国内外の排ガス規制(中国GB4、次期国内排ガス規制等)と、それに関連する動向の情報交換を実施する。
  • カーボンニュートラルと、それに関連する動向の情報交換を実施する。
令和3年度
(2021年度)
  • 2050年カーボンニュートラルに向けて、「建設施工・建設機械におけるCO2排出量の削減について」国土交通省から説明を受け、基本方針、今後の進め方などを共有した。これに伴い「カーボンニュートラルに関する情報交換」を委員会の活動内容に追加して、燃料関連の動向や官公庁の取り組みについて情報交換した。
  • UK Brexit、中国4次排出ガス規制、及び中国地方都市の規制先取り等、海外排ガス規制情報を共有した。
  • 国内次期排出ガス規制ついての情報交換を開始した。
令和2年度
(2020年度)
  • 国内次期排ガス規制について情報交換を行った。次期排出ガス規制の方針を示す第14次答申がなされ、今答申ではディーゼル特殊自動車については言及なく、規制強化は次回答申以降となった。
  • 建設機械次期燃費基準について、専門技術委員会での検討状況や作業燃費検討WGでの審議内容について情報を共有した。
  • 中国4次/韓国5次排出ガス規制に関する最新情報について情報交換した。
令和元年度
(2019年度)
  • 建設機械次期燃費基準について、作業燃費検討WGの討議情報を共有した。
  • 次期国内排出ガス規制について、(一社)日本建設機械工業会の次期排出ガス対応部会の情報を共有した。
  • 中国4次排出ガス規制の最新の情報について情報交換した。
  • 国土交通省から建設機械からの温室効果ガス削減の取り組みについてプレゼンをしていただき、それに関して討議した。
平成30年度
(2018年度)
  • 建設機械搭載原動機の排出ガス規制関連として、次期規制の検討状況について情報共有と意見交換を行った。建機次期燃費基準についても情報展開を行った。
  • In Useの実機排出ガス計測法について、計測器メーカの堀場製作所にPEMS計測器についてプレゼンをして頂いた。
  • 海外排ガス規制情報として、中国の動向に注視し情報交換を行った。
  • 油脂技術委員会と連携し、油脂やバイオ燃料等の情報展開を行った。
平成29年度
(2017年度)
  • 建設機械搭載原動機の排出ガス規制関連情報について意見交換し、各種技術課題に関する情報を展開した。
  • In Useの実機排出ガス計測法に関する情報収集と意見交換を実施した。
  • 国内外の排ガス規制とそれに関連する動向の情報交換を実施した。
  • バイオディーゼル研究についての意見交換及び情報共有を図った。
平成28年度
(2016年度)
  • 海外排ガス規制動向について情報共有を行った。中国4次規制、欧州Stage V規制等、今後も継続して注視していく。
  • (国研)土木研究所で検討中の建設機械における温室効果ガス及び窒素酸化物の測定方法について討議し、課題の有無を早期に確認した。
平成27年度
(2015年度)
  • 建設機械搭載原動機の排出ガス規制関連情報について意見交換するとともに、各種技術課題の情報を共有した。
  • 排出ガス規制について、中国、北米、欧州、韓国、ブラジル、インドネシア他の最新海外規制動向の情報を共有し意見交換を実施した。
平成26年度
(2014年度)
  • 6月6日の機械部会・製造業部会合同技術連絡会で排出ガス4次規制最終段階(2014年基準)について報告し、特に尿素SCRやオパシメータによるPMの測定に関する周知を図った。
  • バイオディーゼル燃料(BDF)の建設現場での採用事例(経済産業省・農林水産省の間接補助事業)やその動向について情報共有を図った。

 

建設機械用ディーゼルエンジン

建設機械用ディーゼルエンジン

建設機械に使用されるディーゼルエンジンには、建設機械専用として製作されたもの、自動車用エンジンを転用したもの、汎用の小型エンジンなどがあります。

走行と作業を同時に行う建設機械の負荷は過酷であり、エンジンには高い信頼性を要求されます。

また、さまざまな機械に搭載されますので形態的にも性能的にも汎用性 が必要です。 さらに近年では低騒音化、低振動化、低燃費化、排出ガスの クリーン化などの改良が加えられています。

ディーゼルエンジンの特徴

ディーゼルエンジンはガソリンエンジン等の他の原動機に比べ熱効率が高い等、様々な長所がある反面、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)の発生が問題になっています。

しかし、これらは各メーカの努力により大きく改善されており、ヨーロッパで生産される自動車の半数がディーゼルエンジンであることからも理解できます。

排出ガス規制は年々強化されてゆきます。これに合わせエンジンの開発がなされ、また燃料に対しても規制が始まっています。

ガソリンエンジンとの違い

  ディーゼルエンジン ガソリンエンジン



窒素酸化物
粒子状物質・
黒煙
二酸化炭素
(燃料消費率)


騒  音
エンジントルク
耐 久 性

 

排出ガス対策

排出ガス低減技術 概要

高熱効率の達成と排出ガス中の有害物質低減をバランスよく行うために、排出ガス対策エンジンでは従来にない新しい技術を取り入れています。

これらは、時時刻刻変化するエンジンの回転数や負荷に追従して、コンピュータにより適正にコントロールされています。

エンジンの燃焼自体をコントロールするとともに、排出ガスを後処理により更にクリーンにする技術も開発されています。

排出ガス低減技術 要素技術

排出ガス低減技術 装置

建設機械の排出ガス規制

国内における建設機械の排出ガス規制は、1996年の排出ガス対策型建設機械指定制度から始まりました。
2003年には自動車と同様に公道を走行する建設機械(ディーゼル特殊自動車)に対して道路運送車両法に基づく排出ガス規制が課せられました。
更に2006年からは公道を走行しない建設機械(特定特殊自動車)に対しても特定特殊自動車の排出ガス規制等に関する法律に基づく排出ガス規制(オフロード法)が課せられるようになりました。
現在では、三つの制度及び法律の何れかに適合した多くの建設機械が使用され、環境改善に大きく貢献しています。

排出ガス規制

特定特殊自動車排出ガス規制について

 

燃料

燃料品質

排出ガス規制対応エンジンは、様々な新技術を取入れ規制値を満足するよう開発されています。

一方、燃料の各成分、性状によっては上記の様に、エンジンの性能を100%引出すことが出来ないばかりではなく、故障の原因にもなりかねません。

排出ガス規制対応エンジンに対しては、性能、耐久性を確保するため、使用燃料に関する規格の制定、使用燃料の制限などが検討されています。

経済性や他の機器用燃料との共通性からメーカの推奨する以外の燃料を使用しないことが重要です。

燃料品質の排出ガス対応エンジンに与える影響

装置・手段 不具合 燃料中の要因
噴射時期遅延 失火、HC・白煙排出 セタン価、アロマ分
電子制御式
高圧燃料噴射装置
摺動部潤滑不良 動粘度
摺動部磨耗
フィルタつまり
燃料清浄度、残炭分
EGR
(排気再循環)
冷却器、配管、
シリンダライナ、
その他の腐食
硫黄
パティキュレートフィルタ 触媒の被毒(耐久性低下)
サルフェートによるつまりPMの増加
NOx還元触媒 触媒の被毒(耐久性低下)
ディーゼルエンジンの燃焼 各排出ガス成分の増加 残炭分、セタン価 90%留出分
始動性 失火、HC・白煙排出 セタン価、流動点

使用燃料と点検整備実施に関するお願い

ディーゼルエンジンから排出されるNOx、PM等の規制対象物質を低減するため、各メーカは新技術の技術開発を進めています。この建設機械の性能を100%引出すには、ユーザの皆様の正しい使用、適切なメンテナンスが必要です。地球環境を守るため、ユーザの皆様のディーゼルエンジンに対するご理解とご協力が大切です。

国土交通省は、「特定特殊自動車の排出ガス規制等に関する法律 第28条」に基づき、特定特殊自動車からの排出ガス抑制を図るため、使用者に対して「建設業に係る特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るための指針」を定め、以下の通り、適正な燃料の使用と点検整備の実施を要求しています。

  1. 排出量を増加させないための燃料の使用
    軽油を燃料とする特定特殊自動車の使用にあたって、燃料を購入して使用するときは、当該特定特殊自動車の製作等に関する事業者又は団体が推奨する軽油(ガソリンスタンド等で販売されている軽油をいう。)を選択すること。
  2. 排出量を増加させないための点検整備の実施
    使用する者は、特定特殊自動車の点検及び必要な整備を実施することにより、当該特定特殊自動車の排出ガスの性状が悪化しないように努めること。

ユーザーの皆様方には指針をご確認頂き、適正燃料の使用と点検整備の実施にご理解をお願い致します。

【参考】特定特殊自動車の排出ガス規制等に関する法律

(指針)
第二十八条  主務大臣は、特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、特定特殊自動車を業として使用する者が使用する特定特殊自動車の燃料の種類その他の事項について必要な指針を定め、これを公表するものとする。

 主務大臣は、特定特殊自動車を業として使用する者に対し、前項の指針に即して特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図ることについて指導及び助言を行うことができる。

バイオ燃料

バイオ燃料については、国土交通省よりガイドラインが示されています。